私のお散歩日和。Vol.1 熊澤枝里子
「街とともに自分も成長できた場所」
私のお散歩日和。Vol.1 熊澤枝里子
「街とともに自分も成長できた場所」
2024.03.12
会社を出て最寄駅から家までの帰り道。いつものスーパーまでの道のり……。変わらない目的地と、見慣れた風景を歩く毎日だけでは歩く楽しさを忘れてしまいがち。目的なんてなくても良い、どんな道のりでも良い。ただ自分が一歩進みたい場所へ歩いてみよう。そんな「私のお散歩日和。」連載がスタート!記念すべき第一回目を歩くのは、ファッション雑誌やCM、広告などでモデルをする傍ら、ピラティストレーナーとしても活躍している熊澤枝里子さん。彼女にとっての“お散歩”から見える景色とともに歩こう。
いつも身近にあった特別な場所
今回熊澤さんが歩いた場所は中目黒・代官山エリア。春になると目黒川沿いの桜が一斉に咲いた景色を見にたくさんの人が訪れ、おしゃれなカフェや洋服、雑貨店が並ぶ人気スポットだ。都会的な街のように見えるが、中目黒から代官山までの道のりには街を見下ろせる公園もあり自然も感じられる場所でもある。熊澤さんは中目黒のスタジオスペースでピラティストレーナーとして体幹の鍛え方や姿勢改善などを教えている。モデル撮影においてもこの街で行うことがあり、モデルとしての初めての撮影も代官山にあるスタジオだったそうで、彼女にとって縁がある場所なのだ。この街での彼女のお散歩ルートは、目黒川沿いを歩き、坂を登って緑が広がる西郷山公園へ。高台から街を眺めてから代官山蔦屋書店でひと休み。その道のりを歩くと、モデルを始めたばかりのあの頃と今見る景色は変化していると話す。
「私がお散歩をする時は考え事をする時、または時間と気持ちに余裕がある時が多いです。都会と自然のどちらも好きなので、そのどちらも感じられるこの街に惹かれているのかもしれません。18歳でモデル活動を始め、当時大学生だったので東京と地元である神戸の大学を行き来する生活をしていたのですが、一番初めにモデルのお仕事をいただいて撮影をしたのも代官山のスタジオだったんです。まだ土地勘もなく右も左も分からないままスタジオへ向かったのを覚えています。当時の中目黒はここまで若者が訪れる場所ではなく、今ではたくさんの人が訪れる代官山蔦屋書店もなかったです。この街と一緒に私も成長しているのかもと思います」。
お散歩靴は履き心地の良いものをリピート
西郷山公園に到着するまでは急な坂や階段の昇り降りが多く、決して平坦な道ではない。しかし彼女は笑顔で楽しそうに一歩を踏み出す。毎日愛用するシューズ選びも自分の足に合ったものをリピートして購入するそう。そんな彼女にとってアキレス・ソルボはどんな履き心地なのだろうか。
「アキレス・ソルボは土踏まずのアーチが足裏でしっかりと感じられます。そのアーチのおかげで母指球(親指の付け根の膨らんだ部分)と小指球(小指の付け根の膨らんだ部分)が踏み込みやすいのと、足裏の前面側の圧力分散がしやすく包み込まれるような履き心地でとても気に入っています。シューズに関して私は本当にしっかり見て選ぶタイプだと思います。それは種類でなく、自分の足に合うシューズだと思えるものを選んでいます。そうなったのも、ピラティスを始めて足裏の感覚をとても繊細に感じるようになったからです。また歩くだけでなく、“お尻の上がるお散歩の仕方”を意識していますね。歩き方の癖は誰にでもあるのですが、私の場合はふくらはぎを使う歩き方をしてしまっていたので、歩けば歩くほどふくらはぎが太くなってしまったんです。今はお尻と腿(もも)の付け根を使って歩こうと意識できるようになったので、お尻が上がっていくんです。ピラティスのおかげで気づく力と内観力が上がったように思います。最初は難しいかもしれませんが、コツを掴めば一石二鳥のお散歩になりますよね」。
歩きやすさとファッションの両立
ピラティストレーナーの時とモデルの時でファッションの雰囲気を変えていると話す熊澤さん。お散歩にはその中間で歩きやすさとファッションの両立を意識していると話す。
「ピラティストレーナーの時はピラティスウェアを着てスポーティーな服装が多い反面、モデルとして撮影へ向かう時はワンピースやジャンプスーツなどにスニーカーを合わせることが多いですね。今回は靴全体が白のワントーンで統一されたアキレス・ソルボのデザインを生かしたくて、ソックスとバッグも白でリンクしたコーディネートにしてみました。差し色にブルーのニットを入れたのもポイントです」。
自分の体を愛すること
“体の巡りを良くする”ことを心がけている熊澤さんは、ピラティス以外に毎日の食事も突き詰め薬膳師の資格を取得。体を動かし好きなものを食べて楽しみたいと話す彼女の優しい笑顔から、自分の体への愛情が伝わってきた。
「私は糖質やカロリーを制限したくないので、ピラティスだけでなく、体の内側の巡りを良くする『薬膳』に興味を持ちました。薬膳は季節や住んでる場所などでより効果的なものは何かを重視して考えられています。季節によりますが、冬はお散歩した後や運動した後に温めた方が良いので、帰ってすぐホットティーを飲んだりして、体を整えていますね。春先はデトックスの季節なので、レモンやグレープフルーツなど柑橘系の食材を摂ってあげると巡りが良くなりますよ」。
坂を登り切った先にある代官山蔦屋書店でひと休み。「歩くこと、体を動かすこと、食べること。どれに対しても自分へ思いやりを持って過ごすことが幸せなんです」と嬉しそうに語った。
熊澤さんが着用したシューズはこちら。
「N511」モデル 白 ¥24,200(税込)
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熊澤枝里子(くまざわ・えりこ)
1985年生まれ、兵庫県出身。雑誌「CanCam」の専属モデルオーディションをきっかけに芸能活動をスタート。 その後CanCam、のちに姉妹誌AneCanの専属モデルに。リポーターとして、「旅サラダ」「ズームインスーパー」などレギュラー出演、「ヒルナンデス」他バラエティー番組にも多数出演。2014年にピラティスインストラクター資格を取得し、ピラティス講師の活動を始める。モデル業で得た知識と薬膳を融合し、美容薬膳家としてメディアにレシピやコラムを執筆。定期的にイベントやワークショップなども行っている。
Photographer:Ayako Masunaga
Text & Edit:Saki Shibata