自分の足と向き合おう。
専門家に相談!皆さんの足のお悩み
自分の足と向き合おう。
専門家に相談!皆さんの足のお悩み
2024.09.30
自分の全体重を支え、あらゆる活動の土台となる足。そう、足は万年“オーバーワーク”で、きちんとケアしないと不調の原因に。そこでアキレス・ソルボ公式SNSのフォロワー様から寄せられた足にまつわるお悩みに基づき、済生会川口総合病院皮膚科主任部長の高山かおるさんに足を健やかに保つ秘訣を教わった。
足の痛み、変形、違和感。皆さんの足のお悩みは?
今回、アキレス・ソルボ公式SNSでフォロワー様から足にまつわるお悩みを募集。外反母趾や足裏の違和感など、人それぞれにさまざまな悩みを持っていることが明らかに。足裏やつま先、かかとなど局所的な痛みがある人もいれば、マメや靴擦れなどのトラブルを抱える人もいたりと、悩みの幅が広い。巻き爪に悩む人も見られた。
「そもそも自分の足にどんなトラブルがあるかを把握していない人も一定数います。足の健康を思えば、まず自分の足に向き合うべきです」と語るのは、”100歳まで自分の足で歩ける社会をつくる”をモットーとする高山かおる先生。なぜ足の調子が悪くなるのか、その原因は主に2つ。
年々ケアが不可欠になる足のアーチ
※左は足のアーチが正常の状態、右が扁平足などで足のアーチが低下した状態。
骨や関節、筋肉などからなる足のアーチ構造。土踏まず部分の内側縦アーチ、かかとと小指の付け根(小趾球)を結ぶ外側縦アーチ、母趾球から小指の付け根を結ぶ横アーチの計3種類ある。これらがバネのようにしなやかに連動することで、重心の移動や衝撃吸収などがスムーズに行われ、軽やかな足運びに繋がる。
一方アーチが崩れると、足が体重を支えきれず、骨や関節に負担がかかって外反母趾や扁平足などの原因に。また地面から受ける衝撃を足で吸収しきれなくなり、足の疲労感や痛みもさることながら、膝や腰を痛めるリスクも上がる。
「アーチ構造が崩れる原因は複数ありますが、加齢に伴う筋力低下もその1つです」(高山先生)。足を支える構造が不十分な靴ばかり履いたり、体重の過度な増加により足にかかる負担が増すことも、アーチが崩れる原因に。よって普段から適度な運動を心がけて、足を心地よくサポートする靴を選ぶことが重要。
中足骨の安定感が足を健やかに保つカギ
※イラストの赤い部分が中足骨。
中足骨とは、足首と足先をつなぐ5本の細長い骨(イラストの赤い部分)のこと。歩行中などに足が地面に接した時の衝撃吸収や、地面を蹴り出す時の支点として働き、安定した足運びの立役者とも言えるパーツ。足指の曲がる根元に接する中足骨の部分をしっかりと押さえつつ、足指が自由に動く靴を選ばないと、足の変形などの原因に。
「外反母趾や巻き爪などに悩む人ほど、足を締め付けない大きめの靴を選ぶ傾向が。ただ実際は大きさが適切であることのほかに、足指(足趾)が自由に動かせる靴であることが重要です。足がしっかり固定でき、かかとがずれたり前に足が移動しないような設計の靴で、かつ足先にゆとりがあるのが理想的です」。
心地いい足に導く3つの新習慣
足のトラブルが深刻になる前にできることはたくさん。日常生活でストレスなく歩ける健康な足を保つために、すぐ始められる3つのルーティンをご紹介。
足をいたわる意識を持つ
顔やボディと同じように足元にもスキンケアを。
「ブラシを使って足裏や指の間、爪のきわまで丁寧に洗う、洗った後はクリームやローションを使って保湿する。そのようなケアを通して足をいたわり、向き合うことが何より大事です。親御さん方にはぜひお子さんにもフットケアの大切さを伝えてください。子供の頃から足をケアする習慣を持つことで、40代以降の足トラブルのリスクが大きく下がります」
TPOに合わせて靴を選ぶ
爪先の先端が細いハイヒールなどが外反母趾などの原因になるのは、ご存知の通り。
「かかとから中足骨が動かないようにサポートされ、指先は自由に動くことがやはり大事です。あとは足のアーチを良い形に保つためには靴紐をきちんと結ぶこと。中足骨部分をサポートするパッドがあるようなインソールを使うのも一案です。また常に決まった一足を履くのではなく、TPOに合わせて靴を選びましょう。ハイヒールなどを楽しむ日があっても当然よいのですが、立ち仕事やよく歩く日は足を締め付けない靴を選ぶなどの工夫を」
心地よく歩ける足に整える
1日8000歩を目標に歩くなど、基本的な運動だけでも適切な筋力を保つのに有効。
「ただし膝が内側に入り、足先が外を向くなどの、良くない姿勢で8000歩を歩くのはNG。膝や腰に負担がかかりますよね。よってつま先と膝をなるべく正面に向けた、適切な姿勢で歩くための運動が大事です。まずは、足首の柔軟性と足指の可動性に効果的なエクササイズから。前者は足指に手の指を通して外と内、両方に回すストレッチ。後者は足指をグーチョキパーと動かしたり、床に置いたタオルを足指でつかむタオルギャザリングなどが簡単かと思います。取り入れられるものから始めてみては」
アキレス・ソルボのおすすめシューズをピックアップ!
「C589」モデル ダークブルー ¥27,500(税込)
「エントレフィーノ」と呼ばれるとてもソフトなラム革を使い、履き口はふっくらとしたウレタンでホールドし、靴の中で足が動きにくいような設計になっております。
「C527」モデル ブラウン ¥27,500(税込)
学術的基礎研究に基づいた3つのアーチサポート形状と足の負担を軽減する独自のラスト設計により、足裏の圧力がより分散され、足を心地よく支えます。
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高山かおる(たかやま・かおる)
済生会川口総合病院皮膚科主任部長。東京医科歯科大学附属病院勤務時代に足の問題を根本から解決するための装具外来、メディカルフットケア外来、歩行教室を併設するフットケア外来を開設。健康な足を保つ重要性について著書や講演、マスコミを通して啓発をおこなってきたが、活動を広げる目的で一般社団法人足育研究会を設立。著書に「皮膚科医が教える本当に正しい足のケア」(家の光協会)、「巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア」(マキノ出版)がある。
Illustration:AZUSA
Interview & Text:Nao Kadokami
Edit:Saki Shibata