骨格姿勢インストラクターに学ぶ、
美容や健康につながる“美しい歩き方”
骨格姿勢
インストラクターに学ぶ、
美容や健康につながる
“美しい歩き方”
2022.10.14
美しい歩き方が美容や健康にいい理由
Q.谷さんの考える美しい歩き方の定義を教えてください。
A. 体を機能的に使って、きれいな姿勢で歩くこと。その際に大切なのは骨盤を支点に歩くことです。名付けて「骨盤ウォーキング」です。
理想は姿勢や動作の土台となるアライメント(骨や関節などの配列)が整っていることですが、このアライメントの要となるのが「骨盤」です。毎日何気なくしている姿勢や体の使い方のクセを放置すると、アライメントが崩れ、結果さまざまな不調につながります。よって、骨盤をまっすぐにして立ち、アライメントを整えて正しい姿勢で歩くことが大事なのです。
Q.美しい歩き方が身につくことで期待できる効果は何ですか?
A.印象が見違えます。いくらヘアメイクや服装に気を遣っても、歩き方がおざなりだと“美しくない”と視覚的に捉えられてしまう。歩く姿が他人に与える印象は思っている以上です。レッスンでは、生徒さんに自身の歩く姿をビデオに撮って見てもらいますが、“想像と違う!”と驚かれる方が多いです。
美しい歩き方は健康面においても利点があります。歩き方が乱れると関節などにダメージを与えるほか、筋肉を不必要に使ってしまい、前ももや太ももの外側が太くなることも。
美しく歩くことが習慣になると、それらが改善されるだけでなく、メンタルヘルスにおいても自信が持てる。歩くことはとても日常的な動作ですが、見方を変えると最強のメソッドと言えます!
骨盤をまっすぐ立て、腰から前に出す意識で踏み出すのが「骨盤ウォーキング」の基本。スーパーでショッピングカートを押す時のようなイメージで歩くとスムーズ。
美しさを遠ざける、歩き方の特徴
Q.“NGな歩き方”とは具体的にどのようなものですか?
A.主に2タイプに分かれます。一つは骨盤が後ろに傾き、いわゆる猫背で腰が引けた状態で歩いているケース。2つ目は骨盤が前に傾き、反り腰でお尻を突き出して歩いているケース。
どちらも重心が低く、膝が常に曲がったままで歩く例が日本人には非常に多いです。原因はさまざまですが、このような歩き方だと、歩きだして早々に疲れる、膝などの関節を痛めやすい、筋肉の使い方にムラが出てプロポーションが崩れるなどのデメリットがあります。
Q.歩き方が乱れる原因は何が考えられますか。
A.日常的な体の使い方のクセや骨格のほか、やはり加齢も影響します。“腸腰筋”というインナーマッスルをはじめ、重力において姿勢を保つために使われる“抗重力筋”など、美しい姿勢を保つのに必要な筋力は年々低下します。だからこそそれらの筋肉を意識的に使い、同時に蓄積された体の使い方のクセを今一度リセットする。そんなメンテナンスが40代以降の方には特に必要です。
いろんなアプローチがありますが、歩くことは数ある健康習慣の中でも最も身近なものと言えるでしょう。「骨盤ウォーキング」を身につけると、歩きながら骨格バランスを整える効果も期待できるので、毎日の生活で無理なく実践しながら心身の健康づくりができるのが魅力です。
猫背の人は骨盤が後ろに倒れ、腰が引けた状態のまま、一歩踏み出す傾向が。その結果、歩く時に骨盤でなく膝が支点になり、膝下だけで進むような歩き方に。
反り腰になりやすい人は、骨盤が前に倒れた状態で歩くパターンが目立つ。この場合も膝が常に曲がったまま歩き続けてしまいがち。
骨盤ウォーキングでおさえたいポイント
Q.美しい歩き方に導く、「骨盤ウォーキング」の方法について教えてください。
A.足を前に踏み出す時に、腰から前に出すように常に心がけましょう。みぞおちから脚とイメージして踏み込むと重心がスムーズに移り、筋肉を偏りなく使いながら歩けます。この歩き方が身につくと、前ももや太ももの外側のハリが解消され、関節でしなやかに歩けるようになります。
Q.そのほかに「骨盤ウォーキング」を行ううえで意識したいことはありますか。
A.歩幅を少し広めに歩くこと。自分の肩幅程度を目安に、足を踏み出すようにすると実践しやすいと思います。
老若男女問わず、身長バランスに対して歩幅が狭い人を街なかでもよく見かけます。その原因は必要な腸腰筋が弱いこと。この筋肉が弱いと骨盤の歪みにつながり、いい姿勢を保ちにくくなります。また、脚を上げる際にサスペンダーのように働く筋肉なので、この筋力が弱まるとすり足になり、つまずきやすくなります。
美しい歩き方を意識して骨盤を支点に歩くと自然に腸腰筋も使えるので、ぜひ普段から「骨盤ウォーキング」を実践してみてください。
骨盤ウォーキングでおさえたいポイント
・みぞおちから脚とイメージする
・腰から前に出すイメージで踏み出す
・歩幅は肩幅程度を心がける
美しい歩き方に導くシューズの条件
Q.美しい歩き方においてシューズはどのような位置付けですか。
A.長年歩き方を指導するなかで、シューズは非常に重要なツールだと感じています。また履くものによって毒にも薬にもなるというのが持論です。
シューズ自体の面積は小さいですが、その果たすべき役目はとても多い。歩くうえで必要な可動域を出したり、地面を踏んだ時の衝撃を推進力に変える。そんなサポート力を持つシューズを選ぶことが、美しい歩き方においては重要だと考えています。
Q.「アキレス・ソルボ」を履いてみて、いかがですか。
A. 一般的にシューズに足を入れた時点でフニャッとしていると「足が疲れやすいかも」と感じますが、「アキレス・ソルボ」はフィット感と靴の遊び部分のバランスがほどよく、適度なクッション性もいいなと。このシューズの履き心地がいいのは、シューズ内部に搭載されている「ソルボセイン」のおかげでしょうか。衝撃吸収と圧力分散に秀でた設計で、歩く時に足にかかる負担を軽減できるそうで、歩き方のサポートをしてくれるという点も魅力的です。 あとは美しい歩き方とは別ですが、いろんな服装に合いそうなデザインですね。「アキレス・ソルボ」を履き、常日頃から「骨盤ウォーキング」を心がけていただけたらと思います。
- 講師
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谷 英子(たに えいこ)
ウォーキング・骨格姿勢インストラクター。骨格矯正の専門クリニックでの経験をもとに、ゆがみ改善から行う独自のウォーキングメソッド「骨盤ウォーキング®︎」考案。都内で姿勢・歩き方・立ち居振る舞いを学ぶプライベートスクール「eikowalk」を主宰する他、全国にて講演・セミナー講師として活動中。
https://www.eikowalk.com/index.html
Photographer:Ayako Masunaga Interview & Text:Nao Kadokami Edit:Saki Shibata